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介護の知識

デイケアとデイサービスの違いは?介護職として働く前に知っておきたい基本知識

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介護職として働こうと考えている方の中には、「デイケア」と「デイサービス」の違いがよくわからないという方も多いのではないでしょうか。 どちらも通所型の介護サービスで名前も似ていますが、実は目的やサービス内容、働く環境が大きく異なります。

この記事では、デイケアとデイサービスの基本的な違いから、介護職として働く際のポイントまで、転職を成功させるために必要な知識を分かりやすく解説します。 また、それぞれの職場で働くメリット、身に付くスキルなども紹介します。

デイケア(通所リハビリテーション)とは

デイケアに通う利用者と介護職

デイケアは正式名称を「通所リハビリテーション」といい、心身の機能維持・回復を目的とした専門的なリハビリテーションサービスです。 ここでは、デイケアの基本的な仕組みと特徴について詳しく見ていきます。

デイケアの基本的な役割と目的

デイケアは、医師の指示のもとで理学療法士や作業療法士などの専門職が、利用者の身体機能や認知機能の維持・改善を図ることを目的としています。

 厚生労働省によると、デイケアは「介護老人保健施設、病院、診療所その他厚生労働省令で定める施設で行う、居宅要介護者に対する、心身の機能の維持回復を図り、日常生活の自立を助けるための理学療法、作業療法その他必要なリハビリテーション」と定義されています※。

具体的には、脳卒中や骨折などで身体機能が低下した方や、認知症により生活機能が衰えた方に対して、専門的なリハビリテーションを提供し、在宅生活の継続を支援します。

※厚生労働省「通所リハビリテーション」https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000679684.pdf

人員配置基準と必要な資格

デイケアでは、医療的なケアとリハビリテーションを安全に提供するため、厳格な人員配置基準が設けられています。

医師:専任の常勤医師1名以上の配置が義務付けられています。 ただし、病院や診療所、介護老人保健施設に併設されている場合は、その施設の常勤医師との兼務が可能です。

リハビリ専門職:理学療法士、作業療法士、言語聴覚士のいずれかが、利用者100名につき1名以上配置される必要があります。 1~2時間の短時間サービスの場合は、適切な研修を受けた看護師や柔道整復師でも対応可能です。

その他の従事者:単位ごとに利用者10名につき1名以上の従事者(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師、准看護師、介護職員)の配置が必要です。

設備基準と施設の特徴

デイケアの設備基準は、リハビリテーションを安全かつ効果的に実施するために定められています。

専用のリハビリ室:利用定員に3平方メートルを乗じた面積以上の専用リハビリ室が必要です。 この空間では、歩行訓練や筋力強化訓練など、様々なリハビリテーションが実施されます。

医療設備:医師による診察や健康管理が行えるよう、血圧計や聴診器などの基本的な医療機器の設置が求められます。

安全設備:手すりの設置、段差の解消、車いすでの移動に配慮したバリアフリー設計などが必要です。

デイサービス(通所介護)とは

デイサービス

デイサービスは正式名称を「通所介護」といい、日常生活の支援と社会参加を目的とした介護サービスです。 デイケアと比較すると、より生活に密着したサービス提供が特徴です。

デイサービスの基本的な役割と目的

デイサービスは、利用者が住み慣れた地域で自立した日常生活を営むことができるよう、必要な日常生活上の世話と機能訓練を行うことを目的としています。 また、利用者の社会的孤立感の解消や心身機能の維持向上を図るとともに、家族の介護負担軽減も重要な役割です。

具体的なサービス内容には、食事・入浴・排泄などの日常生活援助、レクリエーション活動、軽度の機能訓練などが含まれ、利用者が楽しく過ごしながら心身の健康維持を図ることができます。

デイサービスの人員配置基準と必要な資格

デイサービスの人員配置基準は、安全で質の高いサービス提供のために設定されています。

管理者:事業所ごとに専らその職務に従事する常勤の管理者1名の配置が必要です。 ただし、管理上支障がない場合は、同一事業所の他の職務との兼務や、同一敷地内の他事業所との兼務が可能です。

生活相談員:利用者の生活相談や関係機関との連絡調整を行う専門職として、利用者100名につき1名以上の配置が必要です。

看護職員:利用者の健康管理や医療的ケアを担当する看護師または准看護師の配置が必要です。

介護職員:利用者15名につき1名以上、かつ事業所に2名以上の配置が義務付けられています。

機能訓練指導員:1名以上の配置が必要で、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師のいずれかの資格が必要です。

デイサービスの設備基準と施設の特徴

デイサービスの設備基準は、利用者が快適に過ごせる環境づくりを重視しています。

食堂および機能訓練室:利用定員に3平方メートルを乗じた面積以上が必要で、食事や機能訓練、レクリエーションなどの多目的な活用ができる設計となっています。

静養室:利用者が体調不良時などに休息できる静養室の設置が義務付けられています。

相談室:利用者や家族との相談を行うため、遮蔽物の設置等により相談の内容が漏えいしないよう配慮された相談室が必要です。

事務室:管理者や生活相談員などの事務作業を行うスペースが必要です。

その他の設備:消防設備、避難経路の確保、車いす対応トイレなど、安全性とアクセシビリティに配慮した設備が求められます。

デイケアとデイサービスの5つの重要な違い

デイケアとデイサービスの違い

ここでは、デイケアとデイサービスの具体的な違いを5つのポイントに分けて詳しく解説します。 これらの違いを理解することで、介護職としてより適切なサービス提供ができるようになります。

【違い1】サービスの目的と利用対象者

デイケアとデイサービスでは、サービスの根本的な目的が大きく異なります。

デイケアの目的は、医学的管理下でのリハビリテーションを通じた心身機能の改善・維持です。 脳卒中や骨折などで機能低下が生じた方、認知症の進行予防が必要な方など、専門的なリハビリが必要な利用者を対象としています。

デイサービスの目的は、日常生活の支援と社会参加の促進です。 一人暮らしで外出機会が少ない方、家族の介護負担軽減が必要な方、他者との交流を求める方などが主な対象となります。

利用できる要介護度についても違いがあります。 デイケアは要支援1・2、要介護1~5の方が利用できますが、デイサービスは要介護1~5の方のみが対象となります(要支援の方は介護予防通所介護を利用)。

【違い2】医師の常駐義務の有無

デイケアとデイサービスの最も大きな違いの一つが、医師の配置義務です。

デイケアでは、専任の常勤医師1名以上の配置が法的に義務付けられています。 これは、リハビリテーションが医療行為であり、医師の指示と管理のもとで実施される必要があるためです。 医師は利用者の健康状態を把握し、リハビリテーション計画の作成・見直しを行います。

デイサービスでは、医師の配置義務はありません。 ただし、看護職員の配置により、利用者の健康管理や緊急時の対応は確保されています。 医療的ケアが必要な場合は、主治医やケアマネジャーとの連携により対応します。

この違いにより、医療的なケアが必要な利用者への対応力に大きな差が生まれます。

【違い3】リハビリテーションと機能訓練の違い

デイケアで行われる「リハビリテーション」と、デイサービスで行われる「機能訓練」は、内容と質が大きく異なります。

**リハビリテーション(デイケア)**は、医師の指示のもとで理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの国家資格を持つ専門職が実施します。 利用者一人ひとりの身体機能や認知機能に応じた個別のプログラムを作成し、科学的根拠に基づいた訓練を行います。

**機能訓練(デイサービス)**は、機能訓練指導員が中心となって実施しますが、必ずしも医師の指示は必要ありません。 基本的な身体機能の維持や軽度な改善を目的とした集団での運動や、日常生活動作の練習が中心となります。

厚生労働省の調査によると、デイケアでは個別リハビリテーションの実施率が高く、より専門性の高いサービス提供が行われています※。

※厚生労働省「令和6年度介護報酬改定について」https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_38790.html

【違い4】人員配置と専門職の配置義務

人員配置基準を比較すると、デイケアの方がより手厚い専門職の配置が求められています。

デイケアでは、医師1名、リハビリ専門職(利用者100名につき1名)の配置が義務付けられており、医療・リハビリテーション体制が充実しています。 また、従事者も利用者10名につき1名以上の配置が必要で、手厚いケアが提供できる体制となっています。

デイサービスでは、生活相談員、看護職員、機能訓練指導員、介護職員の配置が基準となり、生活支援に特化した職種構成となっています。 介護職員の配置は利用者15名につき1名以上と、デイケアより配置基準は緩やかです。

この違いにより、利用者一人あたりのケアの密度や専門性に差が生じます。

【違い5】利用料金と加算の違い

利用料金についても、デイケアとデイサービスでは差があります。

基本単位数(7~8時間、通常規模型事業所)

要介護度デイケアデイサービス差額(デイケア-デイサービス)
要介護1757単位658単位+99単位
要介護2897単位777単位+120単位
要介護31,039単位900単位+139単位
要介護41,206単位1,023単位+183単位
要介護51,369単位1,148単位+221単位

デイケアの方が100~200単位程度高くなっており、1単位10円として計算すると、1回あたり1,000~2,000円程度の差額が生じます※。

この料金差は、医師の配置や専門職によるリハビリテーションなど、より手厚いサービス体制に対する評価として設定されています。

※厚生労働省「介護報酬の算定構造」https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/group7.html

介護職として働く際の違いとキャリア選択

デイケアとデイサービスでは、働く介護職の役割や環境も大きく異なります。 ここでは、それぞれの職場での働き方の特徴を詳しく見ていきます。

デイケアで働く介護職の特徴

デイケアで働く介護職は、医療・リハビリチームの一員として専門性の高いケアを提供します。

業務内容の特徴として、日常的な介護業務に加えて、リハビリテーションの補助や利用者の機能評価への参加があります。 理学療法士や作業療法士と連携し、利用者の身体機能の変化を観察・記録することも重要な役割です。 また、医師による診察時の介助や、医療的ケアが必要な利用者への対応も求められます。

求められるスキルには、医療知識への理解、多職種連携能力、観察力・記録力などがあります。 利用者の細かな変化を察知し、適切にリハビリ専門職や医師に情報提供することが重要です。

働く上でのメリットとして、専門職との連携により介護技術や医療知識を学べる環境があります。 また、利用者の機能改善に直接関われるやりがいも大きな魅力です。

デイサービスで働く介護職の特徴

デイサービスで働く介護職は、利用者の生活支援と社会参加を中心としたケアを提供します。

業務内容の特徴として、食事・入浴・排泄などの基本的な介護業務に加え、レクリエーションの企画・実施があります。 利用者との交流を通じて信頼関係を築き、楽しい時間を提供することが重要な役割です。 また、家族との連絡調整や送迎業務も含まれることが多くあります。

求められるスキルには、コミュニケーション能力、レクリエーション技術、チームワーク力などがあります。 多様な利用者のニーズに応じた柔軟な対応力も必要です。

働く上でのメリットとして、夜勤がなく規則的な勤務時間で働けることがあります。 また、利用者との深い関わりを通じて、人間関係の構築スキルを磨くことができます。

給与・待遇面での違い

厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、施設種別による給与の違いが確認できます。

常勤介護職員の平均給与(2024年9月時点)

  • 通所リハビリテーション(デイケア):約33万6,000円
  • 通所介護(デイサービス):約29万7,000円

デイケアの方が約4万円程度高い水準となっており、医療的な専門性や責任の重さが給与に反映されています※。

ただし、施設規模や地域、法人の運営方針によって差があるため、転職を検討する際は具体的な条件を確認することが重要です。

※厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/24/index.html

キャリアアップの違い

デイケアとデイサービスでは、キャリアアップの方向性も異なります。

デイケアでは、医療・リハビリ分野の専門知識を深めることで、認定介護福祉士やリハビリテーション分野の資格取得につながる可能性があります。 また、医療法人での勤務経験は、病院や介護老人保健施設への転職時に高く評価されます。

デイサービスでは、生活支援や地域密着型サービスの専門性を高めることで、管理者や生活相談員へのステップアップが期待できます。 また、レクリエーション指導や認知症ケアなど、様々な分野での専門性を身につけることが可能です。

どちらの経験も介護職としての幅を広げる貴重な財産となるため、自分のキャリアプランに合わせて選択することが大切です。

転職時の職場選びのポイント

働きやすい介護施設の見極め方

介護職として転職を考える際に、デイケアとデイサービスのどちらを選ぶべきか迷う方も多いでしょう。 ここでは、転職成功のための具体的なポイントを紹介します。

デイケアが向いている人の特徴

デイケアでの勤務は、以下のような方に適しています。

医療知識を身につけたい方:医師や看護師、リハビリ専門職と日常的に連携するため、医療に関する知識やスキルを自然に身につけることができます。

専門性を高めたい方:リハビリテーションの補助や機能評価への参加を通じて、より専門的な介護技術を習得できます。

やりがいを重視する方:利用者の機能改善や回復過程に直接関わることで、目に見える成果を感じられます。

安定した収入を求める方:デイサービスと比較して給与水準が高く、医療法人の安定性も魅力です。

デイサービスが向いている人の特徴

デイサービスでの勤務は、以下のような方に適しています。

コミュニケーションを重視する方:利用者との会話やレクリエーションを通じて、人との関わりを楽しめる方に向いています。

創造性を活かしたい方:レクリエーションやイベントの企画・実施により、アイデアや創造性を活かせます。

ワークライフバランスを重視する方:夜勤がなく、比較的規則正しい勤務時間で働けるため、プライベートとの両立がしやすくなります。

地域密着型で働きたい方:地域の高齢者との関わりを通じて、地域貢献を実感できます。

転職時の確認ポイント

転職を検討する際は、以下の点を必ず確認しましょう。

人員体制:実際の配置人数や離職率、研修制度の充実度を確認することで、働きやすさを判断できます。

利用者の特徴:要介護度の分布や疾患の特徴を把握することで、業務内容をイメージできます。

キャリア支援制度:資格取得支援や昇進の可能性、研修制度などを確認し、将来のキャリアプランと合致するかを判断します。

労働条件:基本給だけでなく、各種手当や福利厚生、有給取得率なども含めて総合的に判断することが重要です。

まとめ

デイケア(通所リハビリテーション)とデイサービス(通所介護)は、どちらも重要な通所型介護サービスですが、目的・内容・働く環境が大きく異なります。

デイケアは医師の指示のもとで専門的なリハビリテーションを提供する医療色の強いサービスであり、機能改善を目指す利用者に適しています。介護職として働く場合は、医療知識や多職種連携スキルが求められ、専門性の高い環境で成長できます。給与水準も高く、キャリアアップの機会も豊富です。

一方、デイサービスは日常生活支援と社会参加を重視したサービスで、利用者の生活の質向上を目指します。介護職として働く場合は、コミュニケーション能力やレクリエーション技術が重要であり、利用者との深い関わりを通じて充実感を得られます。夜勤がなく、ワークライフバランスを取りやすい働き方が可能です。

転職を検討する際は、自分のキャリアプランや価値観、働き方の希望に合わせて職場を選ぶことが重要です。どちらの職場も介護職としての成長につながる貴重な経験を積むことができるため、しっかりと情報収集を行い、自分に最適な選択をしてくださいね。

  • この記事を書いた人

job-kaigo

介護業界で働く人。もっと働く介護職員の働く環境が向上するように、と思いながら情報発信をしています。報酬改定3年に1回はやっぱり遅いと思う今日この頃です。

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