働き方

【介護職必見】希望休と有給休暇の違いとは?希望が通りやすい、働きやすい職場を見つけるには

介護職として働く中で、「希望休」と「有給休暇」の違いが分からず、モヤモヤした経験がある方も多いのではないでしょうか。

どちらも休みを希望する仕組みではありますが、制度の性質や取得の方法、扱い方には明確な違いがあります。

この記事では、希望休と有給休暇の違いを分かりやすく解説し、それぞれを正しく使い分けるためのポイントを整理します。

さらに、希望休が取りやすい職場を見つけるためのコツや、介護職として働きやすい職場の特徴についても紹介します。

休暇制度への理解を深めることで、プライベートとの両立やストレスの軽減にもつながり、安心して働き続けることができるようになります。ぜひ参考にしてみてください。

希望休と有給休暇の違いとは?

希望休が通らず困っている職員

希望休と有給休暇は、どちらも職員が休みを取得する手段ですが、その制度的な位置づけや取得の仕組みには大きな違いがあります。

特に介護職のようにシフト勤務が多い職場では、これらの違いを正しく理解しておくことで、仕事と生活のバランスを保ちやすくなります。

以下に、それぞれの特徴を整理し、希望休と有給休暇、両者の違いについて分かりやすく解説します。

希望休とは

希望休とは、職員が「この日は休みたい」と事前に希望を出す休みのことです。ただし、希望休はあくまで“希望”として出すものであり、勤務先が必ずしもその希望を通す義務はありません。

介護施設のシフト作成者が、他の職員のシフトや業務の都合を踏まえて調整するため、必ずしも希望どおりに休みが取れるとは限らない点が特徴です。

ただし、筆者の聞く限りでは可能な限り希望休は通すようにしている、といった職場が多いです。希望休が通らないと介護職員の離職率にも影響があるからだと考えられます。

希望休は、職場ごとのローカルルールで運用されることが多く、例えば「月に2回まで希望休が出せる」「曜日の指定はできるが日付の指定は不可」といった独自の制限が設けられている場合もあります。

注意点として、施設や希望の提出方法によっては、希望休を出すタイミングが遅いと他の職員との調整が難しくなり、希望が通りにくくなることもあります。

有給休暇とは

有給休暇(正式には「年次有給休暇」)は、労働基準法に基づき、一定の条件を満たす労働者に与えられる休暇のことです。

勤務日数や勤続期間に応じて付与され、取得した日には通常どおりの賃金が支払われます。つまり、休んでも給料が減らない、法的に保証された休みです。

介護職においても、パートやアルバイトであっても条件を満たせば有給休暇は付与されます。

原則として、労働者が取得日を申し出れば、使用者はこれを認める義務があります。ただし、業務に大きな支障が出ると判断される場合は、時季変更権と呼ばれる制度により、別の日に変更を求められることがあります。

希望休と有給休暇の主な違い

希望休と有給休暇には以下のような違いがあります。

区分希望休有給休暇
法的根拠なし(職場独自の制度)労働基準法で定められている
取得の義務使用者に認める義務はない使用者に認める義務がある(原則)
給与支払い無給有給(通常どおりの賃金支払い)
取得条件事前に希望として提出し調整が必要勤続年数と出勤率などで付与される
柔軟性調整次第で取得できるが、制限されることも法的に保護されているため取得しやすい

このように、希望休はあくまで「職場内での調整によって休める可能性がある日」、有給休暇は「法的に保証され、休んでも賃金が発生する権利」という大きな違いがあります。

両者の性質を理解し、状況に応じて適切に使い分けることが、介護職として働きやすさを高める鍵となります。

希望休が取りやすい職場を探すコツ

介護求人を調べる

希望休の取りやすさは、働きやすさに直結する重要な要素です。

介護職はシフト制であるため、勤務希望が通らないと、プライベートの予定を立てにくくなったり、心身の疲労が蓄積しやすくなったりします。

以下では、求人選びや面接時に確認すべきポイントを整理し、希望休が取りやすい職場を見極めるためのコツを紹介します。

職員数が多い施設を選ぶ

職員数に余裕がある施設では、シフトの調整がしやすく、希望休が通りやすい傾向があります。

人手が足りない職場では、勤務シフトを固定化せざるを得ず、希望休が出しにくかったり、提出しても通らなかったりすることが多くなります。

また、職員が多ければ、急な休みにも他のスタッフでカバーしやすいため、希望休を出しやすい雰囲気が生まれやすくなります。

求人情報やホームページなどから、職員数や職種別の配置状況を確認しておくとよいでしょう。

年間休日数が多い職場を選ぶ

年間休日数の多さも、希望休の通りやすさに関係しています。

介護業界の平均的な年間休日数は107日〜110日程度とされています。この水準よりも休日数が多い職場は、全体的に休みが取りやすい可能性が高く、希望休も通りやすくなる傾向があります。

下記のような比較表を参考に、求人票で年間休日数をチェックしてみてください。あくまで傾向とはなりますが、職場選びの参考になるでしょう。

年間休日数の目安期待できる休みやすさ
105日未満希望休が通りにくい傾向
107〜110日業界平均の水準
115日以上比較的休みやすい職場

数字だけでなく、実際に休みが取得できているかも重要なので、口コミや面接時の質問で実態を探ることも大切です。

希望休の制度が明確な職場を選ぶ

希望休の申請ルールがきちんと整備されているかも、取得のしやすさに大きく影響します。

たとえば、「月に○日まで希望休を申請可能」「提出締切は前月○日まで」など、明確な基準がある職場は、運用が安定しており、希望休が反映されやすくなります。

制度があいまいなまま運用されていると、スタッフ間で不公平感が生まれたり、申請しても通らなかったりする可能性もあります。

面接時には以下のような質問をして、職場の対応方針を把握しておくと安心です。

  • 希望休の申請ルールはありますか?
  • 月に何回まで希望休が出せますか?
  • 希望が通りやすい体制になっていますか?

希望休が取りやすい職場を選ぶことは、介護職として長く安定して働き続けるためにも非常に重要です。

介護職が働きやすい職場とは?

介護職が働きやすい職場

働きやすい職場かどうかは、介護職として長く安心して働き続けるための重要な判断基準です。

希望休が取りやすいだけでなく、人間関係や働き方の柔軟性、待遇の整備状況など、総合的に職場環境を見極めることが求められます。

ここでは、介護職が「ここでなら働き続けられる」と感じやすい職場の特徴を紹介します。面接で離職率を質問する方も時折いらっしゃるようですが、参考になる答えを得るのは難しいです。

見学時の職場の様子や他の質問で、働きやすい職場かどうかの情報を得るようにするとよいでしょう。

職場の雰囲気が良い

人間関係が穏やかで、相談や声かけがしやすい職場は、それだけで大きな安心感があります。

介護の現場では、チームでの連携が不可欠なため、日々の声かけや報告がスムーズにできる関係性が築けているかが、働きやすさに直結します。

離職率の高さやスタッフ間のトラブルが多い職場は、ストレスがたまりやすく、長続きしにくい傾向があります。

職場見学の際には、スタッフ同士のやりとりや利用者への接し方など、雰囲気をよく観察することが大切です。

また、職場内で感謝や労いの言葉が自然に交わされているかどうかも、良好な職場の一つの目安になります。

シフトの柔軟性がある

家庭の事情や体調の変化に応じて、柔軟にシフトを調整できる職場は、介護職にとって非常にありがたいです。

特に子育て中や家族の介護を担っている人にとっては、柔軟な対応が可能かどうかが継続勤務の可否を左右します。

以下のような柔軟な仕組みが整っている職場は、働きやすさが高いといえます。

  • 日勤・夜勤の希望シフト制
  • 時短勤務や週3日勤務への対応
  • 突発的な休みにも協力し合える体制

面接時には「希望シフトはどれくらい通りますか?」「急な休みに対応できる体制はありますか?」といった質問をしておくと、柔軟性の有無を確認しやすくなります。

福利厚生が充実している

福利厚生が整っている職場は、職員にとって大きな安心材料となります。

たとえば、有給休暇の取得を促進していたり、産休・育休の取得実績がある職場は、制度の上だけでなく、実際に活用されていることが重要です。

また、以下のような制度が整っていると、働くモチベーションの向上にもつながるでしょう。

  • 処遇改善加算による手当支給
  • 研修費用の補助や資格取得支援制度
  • 健康診断・ストレスチェックの定期実施

福利厚生は求人票に載っていても、実際に運用されていないケースもあります。

そのため、面接や見学の際に、「実際に取得されている人はいますか?」など、具体的な運用状況を確認することが大切です。

まとめ

介護職において、「希望休」と「有給休暇」はどちらも働くうえで欠かせない制度ですが、それぞれの性質や使い方には明確な違いがあります。

希望休はあくまで勤務希望として提出するもので、必ずしも休めるとは限りません。一方、有給休暇は法律で保障された労働者の権利であり、一定の条件を満たせば正当に取得できます。

希望休が取りやすいかどうかは、職場の体制や文化にも大きく左右されます。

職員数の余裕、年間休日数、希望休のルールの明確さなどを確認することで、希望が通りやすい職場を見極めることができます。

また、働きやすい職場には、良好な人間関係、柔軟なシフト対応、充実した福利厚生といった特徴が共通して見られます。

制度の違いを理解したうえで、自分のライフスタイルに合った職場を選ぶことが、無理なく長く働き続けるために大切です。

この記事を参考に、より安心して働ける環境を見つけていただければ幸いです。

希望休については以下の記事で詳しく解説しています。こちらもご覧ください。

今の職場で連勤が多くて辛い、しかも希望休も通りにくい…といった方もいらっしゃるかもしれません。そのような状況が長く続いたり、相談しても改善が難しい場合には、転職も視野にいれる必要があるかもしれません。

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