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介護職の有給休暇は本当に取りづらい?義務化のポイントと取得率、上手な取り方を徹底解説

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介護の現場では「有給休暇が取りづらい」と感じる方が少なくありません。

実際、忙しい日々が続く中で自分だけ有給を申請しても迷惑をかけてしまうのではと心配する職員も多いのが現状です。

そのため「有給が取れないのは普通なのか?」「これってブラックな職場なのでは?」と疑問を持つ方もいらっしゃるでしょう。

しかし、介護職でも有給や連休を取得できる方法は存在します。

本記事では、介護職の有給休暇の基礎知識や取得しづらい背景、現場で役立つ取得のコツ、さらには働きやすい職場を見つけるポイントについて詳しく解説します。

働く環境をより良くしたい方や、これから転職を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

介護職は有給休暇が取りづらい?有給休暇の基礎知識

有給も連休も取れず、限界を感じる介護士

介護職として働く上で、有給休暇の制度を正しく理解することは重要です。 労働基準法で定められた権利でありながら、現場では「有給が取りづらい」と感じる方も少なくありません。 

ここでは、有給休暇の基本的なルールと、雇用形態による違いについて解説します。

労働基準法と有給休暇の基本ルール

有給休暇は労働基準法第39条で定められた労働者の権利で、「心身の疲労を回復しゆとりある生活を保障するため」に付与される休暇です。 介護職においても、以下の条件を満たせば必ず付与されます。

有給の付与条件は2つです。

・雇用された日から6か月が経過していること

・その期間の全労働日の8割以上出勤していること

この条件を満たすと、初回は10日の有給休暇が付与されます。(職場によっては入社日からすぐに有給が付与されるケースもあります)

その後は勤続年数に応じて日数が増え、最大20日まで付与されます。

2019年4月からは、年10日以上の有給休暇が付与される労働者に対して、年5日の取得が使用者の義務となりました。 これは介護業界にも適用され、違反した場合は労働者1人につき30万円以下の罰金が科されます※。

有給休暇の申請は労働者の権利であり、原則として希望する時季に取得できます。 ただし、業務に著しい支障がある場合のみ、使用者は「時季変更権」により別の日への変更を求めることができます。

そのため、現実的にはシフト管理者や施設長など上長と、有給の取得時期について相談することが必要な現場も多いかと思います。

※参考:厚生労働省「年5日の年次有給休暇の確実な取得

介護職でもパート・派遣含めて有給が付与される?

有給休暇は雇用形態に関係なく、条件を満たせば付与されます。 パートや派遣職員も対象となりますが、週所定労働日数によって付与日数が異なる「比例付与制度」が適用されます。

週所定労働日数が4日以下、かつ年間の所定労働日数が216日以下の場合は比例付与となり、例えば週1日勤務なら6か月後に1日、週2日勤務なら3日が付与されます。 一方、週5日以上または年217日以上勤務する場合は、正社員と同様に10日が付与されます※。

派遣職員の場合は派遣元から有給休暇が付与されるため、派遣先が変わっても同一派遣元での勤続期間で計算されます。 この点は直接雇用とは異なる特徴です。

有給休暇には2年の時効があり、付与から2年経過すると消滅してしまいます。 そのため、計画的な取得が重要になります。

※参考:厚生労働省「年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています

なぜ?介護職は有給休暇が取りづらいと言われる理由

夜勤で働く介護職

介護職が有給休暇を取りづらいと感じる背景には、業界特有の構造的な問題があります。 法律で権利が保障されているにも関わらず、現場では様々な制約や課題が存在し、実際の取得を困難にしているのが現状です。 ここでは、その主な要因を3つの観点から詳しく解説します。

慢性的な人手不足

介護業界最大の課題は慢性的な人手不足です。 厚生労働省の推計では、2025年には約32万人の介護人材が不足すると予測されており、多くの施設が最低基準ぎりぎりの人員で運営している状況です。

人員配置基準では、特別養護老人ホームの場合「利用者3人に対して介護職員1人以上」と定められていますが、実際には基準通りの配置で運営している施設も多く、1人が休むと業務が回らなくなる構造的な問題があります。

例えば、10人のスタッフで運営している施設で1人が有給を取ると、残り9人で10人分の業務をカバーしなければならず、他の職員への負担が重くなります。 このため、「自分が休むと迷惑をかける」という心理的プレッシャーが生まれ、有給申請をためらう要因となっています。

急な欠勤や体調不良者が出た場合の代替要員確保も困難で、管理職が現場に入るケースも珍しくありません。 こうした状況では、計画的な有給取得どころか、日常的な休息も十分に確保できない現場が存在しているのが実情です。

介護業界特有のシフトの特殊性

介護職は24時間365日体制でサービスを提供する必要があり、日勤・夜勤・早番・遅番など複雑なシフト制で勤務するのが一般的です。 この特殊な勤務形態が、有給取得の障壁となっています。

シフト制では、土日や祝日に希望が集中しやすく、全員の希望を叶えることが困難です。 特に年末年始やお盆、ゴールデンウィークなどは希望者が多く、調整が難航するケースが頻発します。

また、夜勤明けの職員と日勤職員の希望が重なった場合、シフト作成者は限られた人員で24時間体制を維持しなければならず、結果として申請が却下されることもあります。

シフト作成が特定の管理者に属人化している施設では、作成ルールが不透明で不公平感が生まれやすく、「なぜ自分の希望だけ通らないのか」という不満につながることもあります。 1か月前にシフトが確定する施設が多いため、急な予定には対応しづらいという制約もあります。

取得しにくい職場の雰囲気

制度上は有給取得が可能でも、職場の雰囲気や文化が取得を阻害している場合があります。 特に「休む=悪」という意識が根強い職場では、有給申請そのものが困難になります。

介護職に多い真面目で責任感の強い職員ほど、「私だけ休むのは申し訳ない」「チームに迷惑をかけたくない」と考えがちで、必要以上に遠慮してしまう傾向があります。もしかすると、あなたもそうかもしれません。

管理職や先輩職員が有給を取らない職場では、新人や若手職員はさらに申請しづらくなります。

有給制度の説明不足も大きな問題です。 入社時に有給の取得方法や申請手順が十分に説明されず、「どうやって申請すればいいか分からない」「自分に何日の権利があるか知らない」という職員も少なくありません。

時季変更権の不適切な運用も見られ、「今は繁忙期だから」「人手が足りないから」という曖昧な理由で恒常的に申請が却下される職場も存在します。 本来、時季変更権は一時的な調整のための権利であり、取得そのものを拒否する根拠にはなりません。

介護業界の有給取得率と他業界との比較

介護職が連休を取得するポイント

介護職の有給取得状況を客観的に把握するためには、最新の統計データを基に他業界との比較を行うことが重要です。数字で見ることで、介護業界が抱える課題の深刻さがより明確になります。

介護業界の有給取得率の現状

公益財団法人介護労働安定センターの「令和5年度介護労働実態調査」※によると、介護職員の有給休暇取得率は53.7%となっています。これは前年度の52.1%から1.6ポイント改善したものの、依然として低い水準にとどまっているのが現状です。

※参考:令和5年度「介護労働実態調査」結果の概要について

取得日数で見ると、年間平均で10.1日程度の取得となっており、付与される平均18.8日の半分程度しか活用できていません。つまり、多くの介護職員が本来取得できる有給の約半分を使えずに終わっているということになります。

全業界平均との深刻な格差

厚生労働省の「令和6年就労条件総合調査」※では、全業界の平均有給取得率は65.3%と報告されています。介護業界の53.7%と比較すると、約12ポイントも低い結果となっており、業界全体の課題が数字として明確に表れています。

参考:厚生労働省 令和6年就労条件総合調査の概況

この格差は、単純に「少し低い」というレベルではありません。有給取得率60%を下回る業界は限られており、介護業界は全業界の中でも特に取得率の低い業界の一つとして位置づけられています。

地域による取得率の違い

都市部と地方での取得率にも差が見られます。都市部の大規模施設では職員数が多く、代替要員の確保がしやすいため、取得率が60%を超える施設もあります。しかし、地方の小規模施設では40%台にとどまるケースも多く、地域格差も深刻な問題となっています。

有給休暇取得の義務化と現場の変化

2019年の働き方改革関連法の施行により、有給休暇の取得に関する法的な枠組みが大きく変わりました。これまで労働者の自主的な取得に委ねられていた有給休暇が、使用者に取得させる義務が課せられたことで、介護現場にも徐々に変化が生まれています。

「有給を取得して」と声掛けがある職場も増えているのではないでしょうか。

H3: 2019年法改正と5日取得義務の概要

働き方改革関連法の一環として、労働基準法第39条が改正され、2019年4月から年次有給休暇の年5日取得義務が始まりました。この改正は、長時間労働の是正と労働者の健康確保を目的としています。

具体的には、年10日以上の有給休暇が付与される労働者について、使用者が年5日の有給休暇を確実に取得させることが義務づけられました。これは正社員だけでなく、条件を満たすパートタイム労働者も対象となります。

使用者は、労働者の希望を聞いた上で時季を指定して取得させるか、労使協定による計画的付与により実施する必要があります。労働者が自主的に5日以上取得している場合は、追加で指定する必要はありません。

義務化で何が変わったか

法改正により、介護現場でも有給取得に対する意識や制度に変化が見られています。最も大きな変化は、事業所側が有給取得状況を積極的に管理するようになったことです。

多くの介護施設では、職員ごとの有給取得実績を月次で確認し、取得日数が少ない職員に対して積極的に取得を促すようになりました。年度末に駆け込みで取得させる施設も増えており、「今年度中に○日取得してください」といった個別の声かけが行われています。

また、計画的付与制度を導入する施設も増加しています。例えば、夏季休暇と組み合わせて有給2日を一斉付与する方法や、年末年始の休暇に有給を組み込む方法などが採用されています。これにより、個人の申請に頼らない有給取得の仕組みが整備されつつあります。

一方で、人手不足が深刻な施設では、形式的な取得に留まるケースも見られます。「年5日は取得させているが、それ以上は難しい」という状況や、取得日を施設側が一方的に決めてしまうケースも報告されています。

罰則・ペナルティ

年5日取得義務に違反した場合、労働基準法第120条により、労働者1人につき30万円以下の罰金が科せられます。これは対象となる労働者数分だけ罰金が科せられるため、例えば20人の職員が対象であれば、最大600万円の罰金となる可能性があります。

労働基準監督署による監督指導も強化されており、定期監督や申告監督の際に有給取得実績が重点的にチェックされています。違反が発覚した場合、まず是正勧告が行われ、改善が見られない場合は送検される可能性もあります。

実際に介護業界でも、年5日取得義務違反で是正勧告を受けた事業所が複数報告されています。特に小規模な事業所では、法改正の内容を十分に理解していないケースもあり、意図せず違反状態となっている場合があります。

ただし、労働基準監督署は単純に罰則を科すことが目的ではなく、適切な労働環境の整備を促すことを重視しています。違反が判明した場合でも、速やかに改善措置を講じることで、罰則を回避できるケースも多くあります。

介護職で有給休暇を取得しやすくするコツ

休み前の介護職

介護現場の特殊性を理解した上で、実際に有給休暇を取得するためには戦略的なアプローチが必要です。ここでは、現場で働く介護職が実践できる具体的なコツを詳しく解説します。

早めの申請と業務調整

有給取得の成功率を高める最も重要なポイントは、早めの申請と丁寧な業務調整です。介護施設にもよるとは思いますが、2週間ほど前には、シフトが確定することが多いでしょう。そのため、有休を希望する日の1か月半~2か月前には相談・申請を行うことが理想的です。

承認されやすさ、ということで考えると、申請時には単に「○日に有給を取りたい」と伝えるだけでなく、その日の業務をどのようにカバーするかの提案も併せて行えると良いでしょう。「○日の日勤は△△さんと相談済みで、利用者Aさんの特別な対応については引き継ぎメモを作成します」といった具体的な調整案を示すことで、管理者も承認しやすくなります。

特に夜勤の有給申請では、代替要員の確保が最大の課題となります。普段から夜勤職員同士で相互にフォローできる関係を築いておき、「今月私が代わるので、来月お願いします」といった協力体制を作ることが効果的です。

年度初めに、家族の誕生日や記念日、子どもの学校行事など、外せない予定を年間計画として提出できる職場では積極的に活用しましょう。早期に計画を立てることで、職場側も人員配置を調整しやすくなります。

有給をまとめて取得しようとしない

介護現場では、連続した長期休暇よりも、1日単位での取得の方が承認されやすい傾向があります。「1週間の連続休暇を取りたい」と申請するよりも、「月に1~2日ずつ分散して取得したい」という方法の方が現実的です。

介護職からの相談で出てくることもあるのが「5連休を取るのは難しいのか?」という連休問題です。やはり現実的には、5連休は難しい現場が多いでしょう。

特に人手不足が深刻な職場では、3日以上の連続休暇は代替要員の確保が困難になります。1日だけの有給であれば、同僚の協力や管理職による代替勤務でカバーできる場合が多く、申請が通りやすくなります。

ただし、冠婚葬祭や家族の緊急事態など、どうしても連続取得が必要な場合は、事情を率直に説明し、可能な限り早めに相談することが大切です。普段から1日単位で計画的に取得している職員であれば、緊急時の連続取得も理解を得やすくなります。

月末や月初は業務が集中しやすいため、月の中旬頃を狙って申請することも一つのコツです。また、自分以外にも有給希望者がいる日は避け、できるだけ希望が重複しない日程を選ぶことで承認率を高められます。

取得しやすい時期・繁忙期を避ける工夫

介護施設にも比較的余裕のある時期と忙しい時期があります。これらの傾向を把握して、取得しやすいタイミングを狙うことが重要です。

一般的に、4月の新年度開始時期や12月の年末、3月の年度末は業務が集中しやすく、有給申請が通りにくい傾向があります。逆に、6月や9月、11月などは比較的落ち着いている施設が多く、狙い目の時期といえます。

利用者の入退所が多い時期や、実地指導・監査が予定されている時期も避けた方が賢明です。施設の年間行事予定を確認し、大きなイベントや健康診断の時期を避けて申請することで、承認される可能性が高くなります。

インフルエンザなどの感染症が流行する時期(11月~3月)は、体調不良による急な欠勤が増えるため、計画的な有給申請も影響を受ける場合があります。この時期の申請では、感染症対策も含めた業務調整を提案することが効果的です。

週単位で見ると、月曜日や金曜日は希望が集中しやすく、火曜日から木曜日の方が取得しやすい傾向があります。また、祝日の前後も希望者が多いため、あえて祝日から離れた平日を選ぶという方法もあります。

周囲との連携と職場選びのポイント

有給取得には周囲の理解と協力が不可欠です。普段から同僚との良好な関係を築き、お互いの希望を尊重し合える雰囲気作りに努めましょう。

「有給取得の相談窓口」として信頼できる先輩職員を見つけておくことも有効です。経験豊富な職員は、職場の傾向や管理職の考え方を理解しており、適切なアドバイスを得られる場合があります。

転職を検討している場合は、面接時に有給取得の実績や職場の方針について質問することをお勧めします。「年間の平均取得日数はどの程度ですか」「計画的付与制度はありますか」といった質問により、その職場の有給に対する姿勢を把握できます。

求人情報では「有給取得率○○%」「残業少なめ」といった記載を参考にし、実際の職場見学では有給取得に関する掲示物や職員の雰囲気を観察してみましょう。有給取得が当たり前の職場では、職員の表情も明るく、働きやすい環境が整っていることが多いです。

介護職の有給休暇Q&A

介護職の有給休暇について、現場でよく聞かれる疑問や質問をQ&A形式でまとめました。法的な基準や実際の運用について、具体的な事例を交えて解説します。

H3: 有給休暇の付与の時期・日数

Q: 介護職として働き始めて、いつから有給休暇がもらえますか?

A: 雇用開始から6か月間継続して勤務し、全労働日の8割以上出勤した場合に、10日間の有給休暇が付与されます。例えば、4月1日に入職した場合、10月1日に最初の有給10日が付与されることになります。

Q: パートタイムで働いていますが、有給休暇はもらえますか?

A: はい、もらえます。週の所定労働日数が4日以上、または年間217日以上勤務する場合は正社員と同じ日数が付与されます。週3日以下の場合は、労働日数に応じた比例付与となります。週2日勤務なら年3日、週3日勤務なら年5日の有給が付与されます。

Q: 試用期間中でも有給休暇は発生しますか?

A: はい、発生します。試用期間も正式な雇用期間として扱われるため、6か月の継続勤務と8割出勤の条件を満たせば、試用期間を含めて有給休暇が付与されます。

H4: 勤続年数別の付与早見表

勤続年数付与日数累積最大日数
6か月10日10日
1年6か月11日21日
2年6か月12日33日
3年6か月14日47日
4年6か月16日63日
5年6か月18日81日
6年6か月以降20日40日(上限)

※有給休暇は2年間で時効となるため、累積上限は40日となります。

H3: 有給休暇を使い切れない場合はどうなる?

Q: 今年度の有給休暇を使い切れませんでした。来年に持ち越しできますか?

A: はい、有給休暇は2年間有効なので、翌年度に持ち越すことができます。ただし、3年目には時効で消滅してしまうため、計画的な取得を心がけることが大切です。例えば、今年度10日中5日しか取得できなかった場合、来年度は残り5日+新規付与分で最大25日の有給を持つことになります。

Q: 退職時に有給休暇が残っている場合、どうなりますか?

A: 退職時までに残っている有給休暇は、すべて取得する権利があります。退職日までの期間で取得するか、引き継ぎ期間を考慮して退職日を調整することが可能です。事業所によっては有給の買い取りを行う場合もありますが、これは法的義務ではなく、あくまで事業所の任意です。

Q: 有給を取得した日は給与に影響しますか?

A: 有給休暇は「有給」という名前の通り、給与が支払われる休暇です。通常の出勤日と同様に給与が支給され、皆勤手当などの算定にも影響しません。ただし、時間外手当や夜勤手当など、実際の勤務に基づく手当は支給されません。

H3: パート・派遣の有給取得実情

Q: パートタイムで働いていますが、正社員と有給の扱いが違うのでしょうか?

A: 法的には、条件を満たせば正社員と同等の有給休暇が付与されます。しかし、現実的には取得しにくい状況があります。パートタイム職員の場合、勤務日数が少ないため1日の有給取得が収入に与える影響が大きく、生活のために取得を控える方も少なくありません。

また、パートタイム職員の代替要員確保は正社員以上に困難な場合が多く、職場によっては理解が得られにくいケースもあります。事前に労働条件通知書で有給取得に関する方針を確認しておくことが重要です。

Q: 派遣社員として介護施設で働いていますが、有給休暇はどこに申請すればよいですか?

A: 派遣社員の場合、雇用関係は派遣元会社にあるため、有給休暇の申請も派遣元に行います。ただし、実際のシフト調整は派遣先の介護施設で行う必要があるため、まず派遣先の担当者に相談し、承認が得られてから派遣元に正式申請するという流れが一般的です。

派遣社員も6か月の継続勤務と8割出勤の条件を満たせば有給休暇が付与されますが、派遣期間が短い場合や、派遣先が頻繁に変わる場合は、実質的に取得が困難になることもあります。長期派遣の場合は、積極的に権利を行使することをお勧めします。

有給がどうしても取りにくい職場の場合の選択肢

法律や制度で有給休暇が保障されていても、職場環境や人員体制の問題で取得が難しいケースはあります。改善の働きかけが難しい場合は、視野を広げて次のような選択肢を検討することも有効です。

  • 職場内での改善要望を出す
    有給取得の仕組みや計画的付与制度の導入を提案する。複数の職員で要望をまとめると、改善の可能性が高まります。
  • 異動や配置転換の相談をする
    同じ法人内でも、施設規模や勤務形態によって有給の取りやすさは異なります。部署や施設の異動を希望すれば状況が改善する場合があります。
  • 働きやすい職場へ転職する
    求人票や面接で有給取得率・希望休制度・連休実績などを確認し、休みやすい環境の職場を選ぶことが重要です。

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  • 転職エージェントの情報を活用する
     非公開求人や内部の働きやすさ情報を知るために、介護業界に特化した転職エージェントを利用する方法もあります。営業色を強めずに、自分の条件に合う職場探しができます。

有給が全く取れない状態が続くことは、心身の健康にも悪影響を及ぼしてしまいます。職場において有給取得や休みの取り方について改善が見込めない場合は、環境(働く職場)を変えることも前向きな選択肢です。

まとめ

介護職に限らず、労働者は法律上、有給休暇の取得が保障されていますが、介護業界は人手不足やシフト制、職場の雰囲気といった要因により、実際には取得が難しいケースが多くあります。特に介護業界の有給取得率は全産業平均を下回っており、制度があっても現場の運用次第で大きな差が生じています。

しかし、2019年の法改正により年5日の取得義務が導入され、取得環境は少しずつ改善していますが、繁忙期を避けた早めの申請や短期間での取得、同僚との連携など、自ら工夫して休暇を取りやすくする努力も必要です。

それでも有給が取りにくい職場では、異動や転職といった選択肢を検討することが、長く安心して働くための一歩になります。自分の健康と生活を守るために、制度の理解と計画的な取得、そして環境の見直しを意識して行動してくことをおすすめします。

  • この記事を書いた人

job-kaigo

介護業界で働く人。もっと働く介護職員の働く環境が向上するように、と思いながら情報発信をしています。報酬改定3年に1回はやっぱり遅いと思う今日この頃です。

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